第1期 第四章 アギトを目指す者たち
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第四章 一話 元帥の理想、彼の意思
【リーン】
--帰還したか、ニンブス。
朱雀軍一個大隊を、単身で駆逐したらしいな?
【ニンブス】
お前たちのために非ず。
此は、白虎クリスタルの意思。
クリスタルは我に、『朱雀を討て』と命じた。
それに従ったまでだ。
【リーン】
ルシのみが聴ける、【クリスタルの声】か……
忌々しいものだけど、今回ばかりはありがたいな。
お前の参戦により、状況は激変した。
戦局は再び、白虎に大きく傾くだろう。
【ニンブス】
だが我が戦場に出れば、朱雀ルシ・シュユも動くだろう。
彼奴は我と互角の力を持つが、如何にするつもりだ?
【リーン】
それについては、すでに対処法を用意したさ。
元帥の命を受けてな。
朱雀の魔法を封じる兵器【クリスタルジャマー】--
俺たち技官は総力を挙げて、その量産に成功した。
これをお前と共に運用すれば、朱雀は対抗手段を失う。
朱雀ルシだって例外じゃないぜ。
【ニンブス】
クリスタルが与えし力をも、無力と化す技術……
白虎の叡智は、ここまで進化したか。
しかし問おう、人の子よ。
それほどの力を使い、お前が目指すものはなんだ?
【リーン】
決まってるさ。元帥の理想を叶えること--
俺たちの手で、オリエンスを平定することだ。
そのためにすでに、多くの仲間が命を落とした。
だったらその遺志を継ぎ、勝利するのが俺の使命だ。
【ニンブス】
それがお前の意思か……ならばいいだろう。
我も己の使命に従い、朱雀を打ち砕かん。
【シド】
--兵士たちよ! ルシ・ニンブスの参戦により、
我らの勝利はより確実なものとなった!
これを機に総攻撃を行い、一挙に戦局を掌握する!
ルシの力と人の叡智、それが揃えば勝てぬ戦などない!
これより戦争は、最終局面に向かう!
すべてのクリスタルを手中に収め、支配すること--
その理想が叶うまで、そう遠くはない!
持てる力のすべてを投じ、我らが世界の覇者とならん!
第四章 二話 朱雀の守護者
白虎ルシ・ニンブスは
各地の戦場にて朱雀正規軍を殺戮していた
量産型クリスタルジャマーと連携した
ニンブスの戦闘力は圧倒的で
朱雀の誰もが対抗しえなかったが--
その時、朱雀ルシ・シュユから
候補生総代ミユウ・カギロヒへ
ある提案がなされた
【ミユウ】
全候補生とシュユ卿による、同時攻撃……!?
【シュユ】
そうだ。
白虎の策を破るには、それしかない。
まず我が先駆けとなり、ニンブスを食い止める。
その間にお前たちは、クリスタルジャマーを破壊せよ。
【ミユウ】
なるほど、エースの【アンチ・クリスタルジャマー】を
使えばその作戦も成立するかもしれませんが--
エースが戦場に出れば、確実にニンブスに狙われます。
あなたはエースを守りながら、戦うことになりますよ?
【シュユ】
それも覚悟の上だ。
もとより我とニンブスの力量は、完全な互角。
我が動きに枷が与えられれば、敗北は必定だが--
それでも彼奴に手傷を負わせよう。
その後、お前たちの手で、ニンブスを討ち果たせ。
【ミユウ】
【その後】……!?
まさか死ぬおつもりですか、シュユ卿!?
【シュユ】
それが朱雀クリスタルの意思だ。
朱雀を護るため、我が身を捨て駒にせよと。
【ミユウ】
しかし、朱雀にはもう1名ルシがいるではないですか!
彼女が、【セツナ卿】が動けば、あなたも死なずに--
【シュユ】
否、セツナは動かぬ。
朱雀にさらなる危機が迫った時のため待機している。
それがあの女の使命だ。
そして我が使命は、ニンブスと戦うこと。
たとえ敵わぬとて、我は道を切り開く。
その後は汝らに託そう。朱雀の未来と共にな。
【ミユウ】
シュユ卿……
……わかりました。
必ず僕等の手で、ニンブスを討ってみせます。
第四章 三話 決死の作戦
白虎・蒼龍同盟軍が
魔導院への大々的進撃を開始した
その時に向けて準備を進めていた候補生たちは、
決死の作戦を敢行する
【ミユウ】
……いよいよ、決戦の時だ。
用意はいいか、エース?
【エース】
ああ、いつでも出られる。
アンチ・クリスタルジャマーも、詠唱準備済みだ。
【シュユ】
いいだろう。ならば我がニンブスを抑えているうちに、
ジャマーとやらをすべて破壊せよ。
それまでの時は、我が稼ぐ。
それが我が使命だ。
【ミユウ】
……はい。
ならば僕等の使命は、朱雀を救うことです。
ジャマーを破壊し、ニンブスをも倒し--
その使命を、果たしてみせます。
--同時刻
朱雀・白虎国境線上にて--
【リーン】
……なるほどね。
朱雀は総力を上げて、ニンブスを討つ作戦か。
だったら、ここがお互い正念場だ。
お前らが勝つか、俺たちが勝つか……
それを決めようじゃないか。
さぁ来い候補生、俺たちはここだ!
第四章 四話 死闘開始
【ミユウ】
アテンション!
クリスタルジャマー全機の破壊に成功!
同時にシュユ卿は使命を果たして、【昇華】された!
なおニンブスはシュユ卿との交戦により、
現在負傷している!
ニンブスを倒せる、唯一の好機だ!
総員、討伐に当たれ!
第四章 ニンブス討伐
討伐成功
第四章 五話 ルシ・セツナ動く
シュユの犠牲と、候補生の奮闘の甲斐もあり、
白虎ルシ・ニンブスはついに討ち果たされた
しかしニンブスが与えた被害は甚大で
朱雀正規軍は兵力の半数以上を損耗
その隙をつくように、白虎はさらなる進撃を開始
朱雀は依然、厳しい戦況下にあったが--
その時、残るもう1名の朱雀ルシが、
最後の手段を提言した
【軍令部長】
ルシ・セツナ卿……!
【秘匿大軍神】を召喚するですと!?
【セツナ】
左様。
其が我が主たる、朱雀クリスタルの意思。
【カリヤ】
……確かに秘匿大軍神を召喚すれば、
この劣勢も覆しうるかもしれません。
秘匿大軍神は、神に等しい力を持つ召喚獣。
いわば朱雀の、最後の切り札と言うべき存在ですが--
その召喚に必要な犠牲がどれほどのものか、
むろんご存知なのでしょう?
【セツナ】
贄となる者は無数にいる。
戦う力と意思を持たぬ、民たちが。
【カリヤ】
ば……バカな!
朱雀の民の命を差し出せと……!?
【セツナ】
力なき者らとて、半数の命を捧げれば召喚は成る。
疾く、準備を始めよ。
【アレシア】
……クリスタルは合理的ね。戦争に勝つため、
ある意味最も犠牲の少ない道を選んだわ。
民がいくら死のうと、兵や候補生は減らない。
朱雀軍の戦力をそのままに、白虎を屠る作戦よ。
【院生局局長】
しかし民が応じるとは思えません!
それに、あまりに非道な……!
【軍令部長】
確かに非道とも見えるが……
白虎との戦争に負ければ、どのみち多くの民が死ぬ。
故に朱雀クリスタルも、この道を提示したのだろう。
しかし、うぅむ……!
【兵站局局長】
……カリヤ議長、
いかがいたしますか……!?
【カリヤ】
…………
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